京都の税理士・中井康道税
こんにちは中井康道です。お金や税にまつわるお話しを紹介いたします。
  • 最新記事

  • 税の相談
    初めて税理士に相談される方、親身になってお付き合いできる税理士をお探しの方などお気軽にお問い合わせ下さい。
    お困り相談
    京都の税理士中井康道の日常ブログ

    税務会計と企業会計は同じ意味なの?

    2012年10月27日

    当事務所スタッフのヨシです。今回は話しをガラリと変えまして、税務会計と企業会計との関係について見ていきます。コーヒーブレイクの感覚で気軽に読んで下さい。私は、当事務所スタッフとして非常勤で勤務している傍ら、税務会計について研究している身です。そこで、皆さんの中に「税務会計と企業会計は同じ意味なんでしょ。」とか、「企業会計の別名を税務会計と理解しているのだが。」と思われている方がいらっしゃったら、全く意味合いが違いますので、説明していきますね。

    税務会計は、その名のとおり、「税務のため」の会計です。「税務のため」とは、「これだけ儲けを得たので、税金はこの金額を支払います。」というためのものです。

    一方で、企業会計(もしかしたら、「財務会計」という言葉を見聞きしたかもしれません。企業会計と同じ意味と考えて下さい。)は、株主を中心とする利害関係者に対して、会計報告するための会計になります。「会計報告のため」とは、「会社はこれだけ儲かりました。よって、株主にはこの金額を配当(利益の分配の意味です。)できます。」というためのものです。ただ、正確には株主のためだけでなく、その他利害関係者に対して会計報告責任を果たすために利用される会計のことですので、この点をポイントに押さえて下さい。

    この点の違いから、会計処理の方法が異なります。正確には、「処理」というよりも「考え方」が違うのです。以前、「交際費」をこのブログで取り上げたと思います。交際費は企業会計の考え方からすれば、売上に貢献するための「費用」になります。ですから、損益計算に当然組み込まれます。しかし、税務の視点からすれば、交際費は「無駄遣い」なので、税務上では「費用(法人税法上は、損金と言います。)」に入れることが原則として認められないことになります。

    以上見てきましたが、税務会計≠企業会計の関係になります。簡単に紹介しましたが、これをきっかけに「税務会計」あるいは「企業会計」を少し勉強して見ようかなと関心を抱かれたなら、私としてはそんな嬉しいことはありません(笑)。

     

    基準地価

    2012年10月21日

    基準地価について見ていきたいと思います。基準地価とは、都道府県が毎年7月1日時点に基準地(目安となる場所を設けるわけですが、その場所だと考えて下さい。)の価格を調査し、国土交通省が公表する土地の価格です。調査の結果は、土地の取引価格の目安として利用されます。今年は、宅地(住宅地や商業地など)21,708地点、林地556地点の合計22,264地点が調査対象となりました。

    最近の動向も付け加えておきます。9月19日、2012年の「基準地価」が発表されました。これによると住宅地は、全国平均で▲2.5%(2011年は▲3.2%)、三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)で▲0.9%(同年▲1.7%)、地方圏で▲3.2%(同年▲3.7%)と、下落傾向は続くものの下落率は全国的に縮小しました。国土交通省では、低金利や住宅ローン減税などにより住宅需要が下支えされたことから、下落率が縮小したと見ています。

     また、商業地の上昇率上位では、今年5月に開業した東京スカイツリーの周辺がプラス9.8%と1位になるなど、新しく商業施設が開業した周辺地点や大学の移転先周辺地点での上昇が目立ちました。(出典元 三井住友アセットマネジメント株式会社 マーケット・キーワード(No.927)<マーケットレポートNo.2,614>http://www.smam-jp.com/market/report/keyword/__icsFiles/afieldfile/2012/09/21/120924mk.pdf

    以上見てきましたように、今後の展開を占う意味では、円高や長引く欧州債務問題により、減税等政策の後押しなしには不動産市場の心理の好転は期待しづらく、地価の底入れまでにはまだもう少し時間がかかりそうですね。

    固定資産税評価額

    2012年10月20日

    固定資産税評価額を見ていきます。固定資産税評価額とは、市町村(例えば、京都市)が示す土地の値段となります。固定資産の評価は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて行われ、市町村長(例えば、京都市長)がその価格等を決定することになっています。

     固定資産税評価額とは、固定資産税、不動産取得税、登録免許税(これらの税金がどんなものかは改めて機会を設けて説明します。)など土地と家屋に課税される税金の基準となっています。固定資産税評価額は、3年ごとに評価額を見直されます。(この見直されることを、「洗い替え(あらいがえ)」と言います。)

     土地や家屋の固定資産税評価額を知りたい時は、固定資産(土地・家屋)が所在する市町村の固定資産税課(役所によっては、税務課という名前もあります。)で固定資産税台帳(台帳に載っているのです)を縦覧(じゅうらんと呼びます。閲覧と言う意味ですが、不思議と閲覧とは言わずに役所では縦覧と言うのです。)して調べます。市町村によっては、「本人」や「本人から委任を受けている人」などの一部の人しか縦覧できないことになっています。

     以上見てきましたが、まだ何となく固定資産税評価額のイメージが湧かない方のために、説明を加えておきます。固定資産税を算定する時の基になる評価額になります。ですから、固定資産税と固定資産税評価額は全く意味合いが異なります。固定資産税≠固定資産税評価額の関係に当たることと、固定資産税評価額は3年に1度、評価額の見直しをされることを覚えておいて下さい。

    公示価格

    2012年10月14日

    公示価格について見ていきます。公示価格とは、国土交通省が示す土地の値段となります。不動産鑑定士の評価を参考にし、国土交通省の土地鑑定委員会(こういった組織があります。)が公示価格を決定しています。毎年1月1日が評価時点となり、3月下旬頃に公表されます。公示価格は、もともと公共事業用地の取得価格算定の基準となるものですが、それが転じて一般の土地の取引価格に対して目安を与えるものとなっています。そのため、土地の適正な価格を判断する客観的な目安として活用されています。

     なお、公示価格を補うものとして、都道府県基準地価(この用語に付きまして、改めて機会を設けて説明することにします。)というものがあります。これは都道府県が示す土地の値段となります。毎年7月1日が評価時点となり、9月下旬頃に公表されます。これも公示価格と同じような水準の評価となっています。公示価格や都道府県基準地価を閲覧したい時は、国土交通省が運営している「土地総合情報ライブラリー」を利用すると良いでしょう。

     以上見てきましたが、公示価格は土地や土地建物を売却する方にとっても、「売るとしたら、相場はこれくらいの価格になりそうなのだな」と参考になります。買いたい方にとっても、「これくらいの価格が相場なら、金融機関等からの借り入れや親等に贈与してもらう必要があるのかな」と判断の材料にもなる大事な指標価格だと理解してもらえれば良いと思います。

    倍率方式

    2012年10月13日

    倍率方式を見ていきます。相続税や贈与税では、土地は路線価方式という評価方法で評価することは前回説明しました。ただし、路線価は全国の主要な市街地の道路にしか設定されていません。全国の全ての道路に値段を付けることは現実的に不可能です。そのため、路線価のない土地を評価するときは、代わりに固定資産評価額(この言葉は次々回に説明いたします。)を使います。

     ただ、この固定資産評価額は路線価より低い水準となっており、そのまま相続税・贈与税の評価額として使用することは適切ではありません。そのため、相続税・贈与税の評価の際には、これを何倍かにします。このことから、この評価方法を倍率方式と呼ぶのです。倍率を閲覧したい時は、国税庁が運営している路線価図等閲覧コーナーを利用すると良いでしょう。

     以上説明しましたが、倍率方式を使うところのイメージは「田舎」(田舎とはあまりに語弊があるかもしれませんが)の物件と考えて下さい。倍率方式は、固定資産評価額がわかれば、倍率は何倍と確認する必要はありますが、非常にシンプルな評価方法でもありますね。