代襲相続
2012年2月18日今回は、代襲(だいしゅうと呼びます。)相続を見ていきます。「代襲」とものものしい言葉を使っていますが、構えて頂くことは何らありませんので、見ていきますね。
代襲相続とは、被相続人(亡くなった方)に子供がいたのですが、その子供さんが被相続人より先に死亡していたりして相続できない場合などに、その子供さんの子供(被相続人から見れば、孫にあたります。)が相続する権利があるとする制度のことです(民法887条第2項第3項)。また、お子さんがいない夫妻の場合、ケースにより甥や姪まで相続できる制度です(民法889条第2項)。
事例を示しながら、説明をします。①例えば、80歳で亡くなられた方がいて、残された家族は妻だけで、子供はいなかったとします。遺言書もありませんでした。妻は自分だけが相続できるものと思い、遺産である土地建物の登記相談に法務局へ行きました。②ところが、法務局職員から言われたことに妻は、驚きました。何故かと言いますと、亡くなった夫の兄弟姉妹を戸籍から確認は必要だが、生存している可能性と、仮に兄弟等が亡くなっていたとしても、その兄弟等の子供たちがいれば、その子供たちまで相続の権利があると言われたからです。③この場合、妻は相続財産全体の4分の3の権利があるとするのが、民法の考え方です。それ以上の権利をもらいたい場合はどうすれば良いかと言いますと、遺産分割協議が必要となってきます。
このように見ていきますと、子供さんのいない夫婦には、遺言書がメリットある制度で活用すべきかもしれません。そうすれば、兄弟姉妹には前回学習した「遺留分」自体がありませんから、全て妻が相続できることになります。