京都の税理士・中井康道税
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    資産課税部門の仕事

    2012年6月10日

    こんにちは、スタッフのヨシです。私は中井事務所に籍を置く傍ら、学者を目指して勉強していますが、かつての職場についてお話しします。

    今回は、前回の個人課税部門の仕事に続き、資産課税部門の仕事を見ていきたいと思います。私は、かつて資産課税部門で仕事に携わってきた経験から、知っていただきたいと思っています。では、簡単に概略を下記のとおり、見ていきます。

    相続、贈与及び資産の譲渡に係る業務を行っています。大きく2つに分かれての業務です。①相談・指導・調査 相続税や贈与税、所得税のうち、土地や株式等の譲渡所得について、申告等の相談・指導・調査を行っています。②路線価の決定 相続税の計算に必要な土地評価の基準となる路線価などを決める事務も資産課税部門の仕事です。

    私の経験から特に相続税や譲渡所得税(譲渡所得は最近ではもっぱら損失の赤字が多いですが、バブル時期は納税額も高額となっていました。)は税額も高額となり、特例も含め計算方法等の相談は多かったですね。調査に関しては、機会があれば、相続税の調査の実態を守秘義務に抵触しない範囲で(笑)お話ししたいです。相続税の調査に行く納税者の自宅は、さすがに立派な邸宅が多かったことを思い出します。

     

    路線価(土地価格その1)

    2012年3月4日

    国や地方自治体から発表される公的な土地価格だけでも「路線価」「公示地価」「基準地価(都道府県基準地価格)」「固定資産税評価額」といった種類があり、ただでさえ分かりづらい土地価格です。今回から次回以降にかけて、これらの価格を取り上げて見ていきたいと思います。今回はその1つ目として、路線価を見ていきます。

    路線価ですが、一般的に路線価と言えば、相続税路線価のことを指します。相続税路線価は、相続税及び贈与税の算定基準となる土地評価額で、次回に説明します公示地価の8割程度が目安とされています。調査は相続税法に基づいて行われ、国税庁(国税局)が価格を決定します。路線価はその路線に面する宅地の価格(単価)はすべて同じ(敷地の形状などに応じて個々に補正をする)であるという考え方です。評価時点は毎年1月1日ですが、公表されるのは、7月1日となっています。なお、2007年以前は毎年8月1日に公表されていましたが、これが1ヶ月早められる代わりに、閲覧用の相当厚い路線価図の作成が取りやめられました。全国の路線価図(過去3年分)は国税庁のホームページで見ることができます。路線価図には1平方メートルあたりの単価が千円単位で表示されていますので、例えば、図中に「100」とあればその単価は10万円となります。

    どうでしょうか。もし、わかりづらさが少しひもとけていただいたなら、私としては幸いです。

    贈与税の非課税財産

    2012年2月25日

    今回は、贈与税のかからない場合はどんな場合なのか、見ていきます。贈与を受けた人は、原則として贈与税が課税されます。しかし、次の場合には、贈与税は課税されません。他にもありますが、主だったものを見ていきます。

    ①法人からの贈与により取得した財産 法人からの贈与により取得した財産には、贈与税は課税されません。贈与税は、そもそも相続税を補完するもの(相続税から逃げられないようにするもの)であるためです。しかし、一時所得である所得税が課税されます。

    ②生活費、教育費 扶養義務者間で生活費や教育費に充てるため取得した財産には、贈与税は課税されません。生活費や教育費とは、通常の日常生活に必要な費用や、学費・教材費などに充てるための費用を言います。なお、これらの費用として渡されたものでも預貯金など取得者の財産になったものには、贈与税が課税されます。

    ③精神や身体に障害のある人に対する財産 条例により、精神や身体に障害のある人に対し共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利には、贈与税は課税されません。また、国内に居住する特別障害者(障害者手帳を持っている1級や2級の方)が特別障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権(信託銀行に資産すなわち債権や不動産等を預けて運用してもらい、その資産から生まれる収益と元本を受け取る権利のこと。)の贈与を受けた場合には、6,000万円まで贈与税が課税されません。(税務署への届出は必要となります)

    ④離婚による財産分与 離婚により相手方から財産をもらった場合、原則として、贈与税は課税されません。財産の分与ですから、贈与ではないためです。しかし、分与された財産の額が事情を考慮してもなお多すぎる場合は贈与税(多すぎる部分に贈与税)が課税されます。また、離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合は贈与税(財産全てに贈与税)が課税されます。

    私の実務経験では、上記②と④は比較的よく見てきました。参考にして下さい。

    贈与税

    2012年2月21日

    今回は贈与税を見ていきたいと思います。

    例えば、夫が妻へ誕生日に指輪を贈ったり、国家試験に合格した息子にお祝いとして親が車をあげたり、また恋人同士がプレゼントを贈ったりしたとします。これらは、民法上の贈与に当たり、このとき、お金や物をあげた(贈与した)人は、「贈与者」、お金や物をもらった人は「受贈者」と言います。この場合、贈られたお金や物が110万円の基礎控除(110万円を基準にしているとお考え下さい。)額を超えると、もらった人(受贈者)に贈与税がかかります。

    上記の例であれば、指輪をもらった妻、車をもらった息子、プレゼントを贈られた恋人に税金がかかることになります。ただし、贈与となるのは、双方の合意がある場合です。つまり、財産をあげる人が「財産を渡します」と意思表示し、もらう人も「はい、もらいます」と意思表示して、贈与ということになります。一方的に、「はい、あげます」と言っても、もらう人が「はい、もらいます」と意思表示しないと贈与にはなりません。

     ところで、なぜ贈与税がかかるのでしょうか。それは、相続するときだけ課税して、贈与をする(生前に財産を渡す)ときに課税をしなければ問題が生じます。なぜなら、生きている間に全ての財産を贈与してしまえば、全く税金を支払わなくて済むからです。これでは、相続税の意味がありません。したがって、贈与税は必要なのです。このように、贈与税は相続税を補完しており、相互に密接な関係があるので、共に相続税法に規定されています。つまり、贈与税法というものはなく、贈与税も相続税法で規定されているのです。

    ここでは、税金の世界において相続と贈与が密接な関係にあるという事を覚えておいて下さい。