京都の税理士・中井康道税
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    固定資産評価額(土地価格その4)

    2012年3月10日

    今回は、土地価格の説明を最後に控えた固定資産評価額を見ていきます。固定資産税(1月1日時点で保有している土地家屋等について課税される地方税)や登録免許税(土地や建物の建築や購入の際に登記等をします。この登記をする際に課税される国税)、不動産取得税(土地や家屋の取得に対して課税される都道府県税)などを算定する際に用いるため、市区町村(東京23区は都)の固定資産課税台帳などに登載された価格のことです。

    相続税や贈与税では、家屋の固定資産税評価額のみが用いられ、土地は別の基準(路線価)によります。ただし、都市部以外の路線価が定められていない地域では、土地の固定資産税評価額に一定の数値(倍率)を掛けた価格が用いられます。これは、倍率方式と呼ばれる評価方法で、国税庁のホームページで示されている評価倍率表に掲載されています。

    以上、土地価格を見てきましたが、相続税や贈与税に関係してくる土地価格は、「路線価」「固定資産評価額」ということになります。参考にして下さい。

    基準地価(土地価格その3)

    2012年3月8日

    今回は土地価格第三弾の基準地価を見ていきます。公示地価とよく似たものに基準地価があります。価格の性質や目的、評価方法などは公示地価と同様に考えて差し支えありません。大きく異なるのは、価格時点(基準日)が7月1日(公示地価は1月1日)である点です。毎年9月20日頃に公表されます。調査対象地点のことを公示地価では「標準地」といい、基準地価では、「基準値」という点が違っていますね。

    なお、公示地価では評価にあたる不動産鑑定士が1地点につき、「2人以上」となっているのに対し、基準地価の規定では「1人以上」となっています。また、公示地価と同様に、このところ数年は基準地数が年々減りつつあります。

    「基準地価」というだけではなく、「基準地価格」「基準地の標準価格」「都道府県地価」「都道府県基準地価格」「地価調査価格」など様々な表記がされるところは公示地価と同じです。

    さあ、土地価格もあと次回の固定資産税評価額を残すばかりとなりました。ここまでの土地価格の説明でざっくりとイメージをいただけたら幸いです。

    公示地価(土地価格その2)

    2012年3月6日

    今回は土地価格の第二弾の公示地価を見ていきます。公示地価は、公共事業用地の取得価格算定の基準とされるほか、「一般の土地取引価格に対する指標となること」や「適正な地価の形成に寄与すること」が目的とされています。公示される価格は、その年の1月1日時点で、3月中旬頃に発表されます。土地価格動向の指標として、新聞紙上などで毎年最も大きく取り上げられるものです。

    それぞれの地点につき、2人以上の不動産の専門家である不動産鑑定士が別々に鑑定評価を行い、その結果を調整したうえで価格が決定されるため、標準値(地域の種類には、住宅、商業、工業、山林等色々ありますが、その地域内において形状や面積等が標準的であろうと思われる場所のことです)の単位面積あたりの正常な価格(更地価格ともいいます。)であるということが建前です。

    なお、公示地価という言い方ではなく、「地価公示」「地価公示価格」「公示価格」「標準価格」「標準地価格」など様々な言い方もしますが、地価公示に基づく地価でしょうが、あまり深く考えていただく必要はないでしょう。

    この公示地価は、物件の売買する際の算定する場合の目安にもなります。参考にして下さい。

    路線価(土地価格その1)

    2012年3月4日

    国や地方自治体から発表される公的な土地価格だけでも「路線価」「公示地価」「基準地価(都道府県基準地価格)」「固定資産税評価額」といった種類があり、ただでさえ分かりづらい土地価格です。今回から次回以降にかけて、これらの価格を取り上げて見ていきたいと思います。今回はその1つ目として、路線価を見ていきます。

    路線価ですが、一般的に路線価と言えば、相続税路線価のことを指します。相続税路線価は、相続税及び贈与税の算定基準となる土地評価額で、次回に説明します公示地価の8割程度が目安とされています。調査は相続税法に基づいて行われ、国税庁(国税局)が価格を決定します。路線価はその路線に面する宅地の価格(単価)はすべて同じ(敷地の形状などに応じて個々に補正をする)であるという考え方です。評価時点は毎年1月1日ですが、公表されるのは、7月1日となっています。なお、2007年以前は毎年8月1日に公表されていましたが、これが1ヶ月早められる代わりに、閲覧用の相当厚い路線価図の作成が取りやめられました。全国の路線価図(過去3年分)は国税庁のホームページで見ることができます。路線価図には1平方メートルあたりの単価が千円単位で表示されていますので、例えば、図中に「100」とあればその単価は10万円となります。

    どうでしょうか。もし、わかりづらさが少しひもとけていただいたなら、私としては幸いです。

    財産分与した側の課税関係

    2012年3月3日

    前回の2月25日の当ブログで、「贈与税の非課税財産」と題して、離婚等により財産を相手方からもらった場合は、原則として贈与税はかかりませんと見てきました。今回は、その逆の財産を相手方に渡した側の課税関係を見ていきます。

    事例で示しましょう。Aさんは長年連れ添ってきた妻Bと離婚することになり、家庭裁判所で調停が成立しました。この調停によりAさんは20年前に1000万円で購入したマイホーム(土地と建物)を別れた妻Bに財産分与しました。この場合、Aさんに課税は生じるのかという問題です。仮に本日平成24年3月3日に財産分与したとして、その時のマイホームの相場(時価と言います。)が5000万円だったとします。結論を申しますと、Aさんには所得税である譲渡(売却)所得が課税されます。譲渡所得の計算は、5000万円-1000万円=4000万円の譲渡益という値上がり益が出る計算になります。ただ、Aさんのマイホームにより、要件を満たす限り、3000万円控除は適用できます。

    参考までに、妻BさんがAさんより分与されたマイホームを第三者に5000万円で譲渡した場合も見ておきましょう。この場合、譲渡所得の計算は、5000万円-5000万円=0となり、値上がり益は出ないことになります。ここで、5000万円を差し引いている点について、ご説明いたします。Aさんのマイホームの相場が5000万円により、5000万円でAさんより購入したとみなすわけです。妻Bさんの取得時期は、このケースでは分与された平成24年3月3日となります。

    今回は、参考までに説明しました妻Bさんの計算方法が少しややこしかったかもしれませんね。このように見てくると、分与してもらった側は、分与された相場の額で第三者に売却した場合は、別れた妻(もしくは夫)に譲渡所得は結果的にかからないことになりますね。