京都の税理士・中井康道税
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    ジャンル別記事/確定申告・所得税

    譲渡所得(その2)

    2012年9月30日

    譲渡所得と税額の計算を見ていきます。下記のとおり、図で示して見ます。

    譲渡所得と税額の計算

    (出典元 不動産ジャパン http://www.fudousan.or.jp/tools/tax/sale01.html  なお、上図の「1-1」や「1-3」の表記は、出典元の説明項目の番号表記です。)

    ・譲渡所得計算 課税譲渡所得金額=譲渡価額言い換えますと売却代金-(取得費+譲渡費用)-※特別控除(仮に①計算式とします)※特別控除につきましては、一種の特例ですので機会を改めまして説明します

    ・長期譲渡所得の税額の計算 税額=①計算式×税率20%(所得税15%、住民税5%)

    ・短期譲渡所得の税額の計算 税額=①計算式×税率39%(所得税30%、住民税9%)

    なお、平成25年から平成49年までの税額については、算出された所得税を基に復興特別所得税2.1%分が加算されます。(この点も機会を改めまして説明します)

    以上見てきましたが、譲渡所得の計算も、購入した土地をもともといくらで購入し、その購入した金額及び売却にかかった諸経費と売却した金額を比較して「利益」が出たのか「損失」が出たのかを計算するものだと理解して下さい。

     

     

    譲渡所得(その1)

    2012年9月29日

    今回から譲渡所得について、3回に分けて見ていきたいと思います。1回目の今回は、長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分を、次回は、譲渡所得と税額の計算、次々回は、取得費と譲渡費用を見ていきます。

     個人が資産を譲渡して利益が出た場合には、その利益を譲渡所得として所得税・住民税がかかります。住宅などの不動産を譲渡して得た所得の場合には、給与所得(お勤め分)や事業所得(商売されている分)などの所得とは別に、所定の税率によって課税されます。

     土地建物の譲渡所得は、長期譲渡所得と短期譲渡所得に分類され、税額もそれぞれに分けて計算されます。長期譲渡所得とは、譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超えるものです。短期譲渡所得とは、譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下のものです。なお、土地建物の譲渡所得に損失が発生した場合は、その損失額を土地建物の長期譲渡所得あるいは短期譲渡所得から控除(差し引き)することはできます。しかし、その他の所得の額から控除することはできません。(ただし、特例によって控除できる場合があり、この点は機会を改めまして見たいと思います。)

    以上見てきましたが、今の経済状況等から一部のケースを除き、資産を譲渡して利益が出ることは難しいのが現状です。そうなれば、譲渡の税金はかからないけれども、他の所得と譲渡の損失分を差し引ける特例の要件に当てはまれば節税にもつながります。この点もまた見ていきましょう。

    総合課税と分離課税

    2012年9月23日

    今回は所得税の課税方式を見ていきます。所得税の課税方式には、総合課税と分離課税の2種類があります。総合課税は、1年間の所得を給与所得、事業所得などの種別に関係なく、合算して課税するものです。それに対して分離課税は、特定の取引を他の所得と合算せずに、別途課税するものです。不動産の売却などで、一時的に得た所得が多い場合、総合課税では所得全体に大きな税額が課税されるために、分離課税制度がある。総合課税か分離課税かは、あらかじめ決められており選択できないことになっています。
    ・総合課税 事業所得、不動産所得、配当所得、給与所得、一時所得、雑所得、土地建物以外の譲渡所得
    ・分離課税 利子所得、山林所得、退職所得、土地建物の譲渡所得

     ここで、所得税の課税方法を身近なものに置き換えて考えて見ましょう。この税金の掛けられ方をハンバーグ定食にイメージして見ます。ハンバーグ本体はひき肉や玉ねぎや卵など様々な材料がボウルの中で総合されます。一方、つけ合わせとして付くライスやコーヒー、サイドサラダといったものは単品で提供され、決してボウルの中でかきまぜられることはないはずです。
     ハンバーグ定食でいうところの本体を構成するものは、ひき肉や玉ねぎや卵をそれぞれ不動産所得、事業所得、給与所得など総合課税される所得に置き換えて見て下さい。一方、つけ合わせとして付くライスやコーヒー、サイドサラダといった単品でも提供可能なものを退職所得、株式の譲渡所得、山林所得など分離課税される所得に置き換えて見るとイメージとしてとらえやすいのではないでしょうか。(出典元 田中卓也氏 http://allabout.co.jp/gm/gc/44995/)

     以上見てきましたが、所得の種類に応じた課税方式が異なり、課税する際の「入り口」にあたります。この2種類の方式があることを覚えておいて下さい。

    個人が寄付した場合(所得税)

    2012年8月25日

    今回は寄付を取り上げて見ます。個人と会社(法人)では取り扱いが異なります。また、所得税と住民税でも取り扱いは異なりますので、個人が寄付をする場合の所得税を見ていきます。
    原則的な取り扱いは、一定の要件の場合には、税金の計算上考慮されます。

    寄付の対象として、主なものに次のようなものがあります。
    ・国、地方公共団体
    ・赤十字、ユニセフなど

    控除される税金として、寄付金が控除されます(「寄付金控除」といいます)。所得に応じて、控除額が増減するという特徴があります。所得税の場合、寄付金の額(※)-2,000円を所得から控除します。すなわち、寄付金から2,000円を差し引いたものを控除してから、所得の税率を掛けて税金を計算します。
    ※ その年の総所得金額等の40%相当額を限度

    例えば、給与所得のみで年収500万円の方だと限度額は、約138万円です。この場合の所得税の控除額は、約95,000円となります。
     以上見てきましたが、震災を機に寄付が多数寄せられたことと思います。あの震災のことを決して忘れることなく、今も引き続き、私を含む皆さんからの支援が必要だと痛感します。

    医療費を支払った場合

    2012年8月22日

    今回は医療費控除の概要と入院に伴う一般的な費用が医療費控除の対象となるかの判断について見ていきます。具体的な計算方法等は割愛しまして機会を改めることにします。

    ・医療費控除の概要 自己又は自己と生計を一(せいけいをいつと読み、税法でよく出てくる言葉です。意味は、同居はもちろんのこと、別居していたとしても所得者の稼ぎにより家族で暮らしていると考えて下さい。)にする配偶者(妻又は夫)とその他親族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除(今回は割愛し、機会を改めて説明します。)を受けることができます。これを医療費控除といいます。

    ・入院に伴う一般的な費用が医療費控除の対象となるかの判断 
    (1)入院に際し、寝巻きや洗面具などの身の回り品を購入することがありますが、これは医療費控除の対象になりません。
    (2)医師や看護師に対するお礼は、診療などの対価ではありませんから医療費控除の対象になりません。
    (3)本人や家族の都合だけで個室に入院したときなどの差額ベッドの料金は、医療費控除の対象になりません。
    (4)付添人を頼んだときの付添料は、療養上の世話を受けるための費用として医療費控除の対象となります。所定の料金以外の心付けなどは除かれます。また、親族などに付添料の名目でお金を支払っても控除の対象になりません。
    (5)入院中は病院で支給される食事を摂ることになります。これは、入院代に含まれますので医療費控除の対象になります。しかし、他から出前を取ったり外食したものは、控除の対象にはなりません。

    所得税の中でも医療費控除は身近なケースにより取り上げてみました。今後も身近なケースで知っておいてもらいたい内容を取り上げますので、参考にして下さい。