京都の税理士・中井康道税
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    ジャンル別記事/確定申告・所得税

    寄附金控除

    2012年3月11日

    今回は寄附金控除(通常寄附金控除と言う場合に「附」を使います。法人税法上の寄付金と言う場合には、「付」を使います。)を見ていきます。

    寄附金控除とは、個人が地方公共団体や公益団体に対して寄付した場合に所得税や住民税のうち、寄付した額について所得控除(基礎控除を除く一定の条件を満たした場合に、所得額から一定の金額を差し引くことができる制度のこと。所得控除が大きいほど課税対象額が少なくなるので、その結果、税額も少なくなるもの。)あるいは税額控除(一定の条件を満たす場合に、税額すなわち、課税対象額×税率で算出された税額から、直接一定の金額を差し引くことができる制度のこと。

    身近な税額控除は、住宅ローン控除です。)を認める制度のことです。納税者が、特定寄附金を2,000円を超えてした場合に、特定寄附金の額(合計額がその方のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の40%が上限)から2,000円を差し引いた額をその方のその年分の所得から差し引くことができる制度です。つまり、実質的に寄付した分に相当する額の所得にかかる所得税が免除されるのと同じ効果を得ることができることになります。

    特定寄附金とは、以下に掲げる以外に他にもありますが、ここでは、主だったものを例示しておきます(所得税法78条2項)。

    1 国又は地方公共団体に対する寄附金 2 日本赤十字社

    また、特定寄附金とみなされるもの(所得税法78条3項)に、以下の団体に対する政治活動に関する寄付をした場合の寄附金控除の特例(租税特別措置法41条の18)もあります。

    1 政治資金規正法に定める政党 2 政治資金団体

    政党及び政治資金団体に関する寄付に適用される所得税額の特別控除は税額の30%なので、所得が高い場合に寄附金控除を選択する方が節税となります。

    以上、寄附金控除を見てきました。今日は、東日本大震災から1年を迎えます。その関連として寄附金控除を取り上げましたが、早期の復旧復興を願い、いつまでも忘れてはならないと思います。次回は、住民税の寄附金控除を見ていくつもりです。

    財産分与した側の課税関係

    2012年3月3日

    前回の2月25日の当ブログで、「贈与税の非課税財産」と題して、離婚等により財産を相手方からもらった場合は、原則として贈与税はかかりませんと見てきました。今回は、その逆の財産を相手方に渡した側の課税関係を見ていきます。

    事例で示しましょう。Aさんは長年連れ添ってきた妻Bと離婚することになり、家庭裁判所で調停が成立しました。この調停によりAさんは20年前に1000万円で購入したマイホーム(土地と建物)を別れた妻Bに財産分与しました。この場合、Aさんに課税は生じるのかという問題です。仮に本日平成24年3月3日に財産分与したとして、その時のマイホームの相場(時価と言います。)が5000万円だったとします。結論を申しますと、Aさんには所得税である譲渡(売却)所得が課税されます。譲渡所得の計算は、5000万円-1000万円=4000万円の譲渡益という値上がり益が出る計算になります。ただ、Aさんのマイホームにより、要件を満たす限り、3000万円控除は適用できます。

    参考までに、妻BさんがAさんより分与されたマイホームを第三者に5000万円で譲渡した場合も見ておきましょう。この場合、譲渡所得の計算は、5000万円-5000万円=0となり、値上がり益は出ないことになります。ここで、5000万円を差し引いている点について、ご説明いたします。Aさんのマイホームの相場が5000万円により、5000万円でAさんより購入したとみなすわけです。妻Bさんの取得時期は、このケースでは分与された平成24年3月3日となります。

    今回は、参考までに説明しました妻Bさんの計算方法が少しややこしかったかもしれませんね。このように見てくると、分与してもらった側は、分与された相場の額で第三者に売却した場合は、別れた妻(もしくは夫)に譲渡所得は結果的にかからないことになりますね。

    公的年金等の方の確定申告

    2012年3月1日

    以前の2月2日付の当ブログで、「確定申告始まる」と題して、公的年金等に係る雑所得を有する方の確定申告方法が変更になった点を触れました。内容は、公的年金等の収入金額が400万円以下で他の所得金額が20万円以下の場合は確定申告は不要となりました。今回はこの関連で私の住民税の実務で実際に遭遇した納税者の方のケースを紹介したいと思います。

    納税者Aさんは、区役所の市民税の窓口に来ました。Aさんの昨年の収入は、公的年金(源泉徴収票の支払い金額は300万円)と公的年金以外に郵貯の確定年金(書面を持参し、収入金額100万円、必要経費50万円、所得金額50万円。所得税の金額は忘れてしまいましたが、差し引かれていました。)があります。Aさんは窓口に来所して開口一番、「この確定年金を公的年金と一緒に市民税の申告をすると、それだけ市民税が多くなるから、この確定年金を除外して公的年金のみ申告して良いものか。根拠は、確定年金の方は所得税が差し引かれているので、精算済みだと考えている。」との申し出内容でした。

    私は、Aさんは申告の方法を選択(公的年金のみ申告しても良いし、公的年金と確定年金を一緒に申告しても良いと本人に選択権が認められている)できると勘違いしていることをすぐに察しました。Aさんに指導しましたのは、確かに確定年金は所得税が差し引かれているが、あなたの場合の確定年金の所得金額は50万円であるので、他の所得が20万円を超えているので税務署で合わせて申告をする必要があると。Aさんも誤解が解けたようで、税務署でその足で申告に行ってくるとのことで、私も理解してもらって良かったと思えたそんな1日でした(笑)

     

    居住用財産の譲渡

    2012年2月28日

    今回は所得税について見ていきたいと思います。マイホームすなわち居住用財産の譲渡(売却)があった場合、値上がり益が出た場合3,000万円までは申告をすれば税金はかかりません。この点は周知されてきて内容についても浸透しているんだと思っております。ただ、昨今の状況では、値上がり益を出そうにも、よほど昔に購入していない限り、まず利益を見込めませんよね。

    今回は少し切り口を変えまして、「居住」と一口で言っても、居住している期間が要件(条件)なのかどうか、見ていきます。この点は実務においても、納税者から「私の場合、5年以上住んでいるけれども、3,000万円までの控除は利用できますか。」あるいは、「たった1年間しか住んでいないけれども、3,000万円までの控除は利用できませんか。」といった具合です。結論から申しますと、居住年数は一切関係ありません。譲渡しようとする不動産が、あなたにとって「本拠地」かどうかなのです。ここで、「本拠地」とは、生活実態のある場所と理解してもらうと良いです。例えば、居住することは、寝食を伴いますし、細かいことを言いますと、生活する以上ゴミも出ます。その場所は生活の証(あかし)となる場所ですか、とも言い換えられます。

    裁判事例(どの裁判所だったか、裁判日は忘れてしまいましたが)で納税者がたった1日だけ住んでいただけですが、裁判所は納税者の本拠地と認めた事例があります。このケースは確かに極端なケースですが、1日住んでいても生活の証があったということです。

    生活の本拠ということでは、マイホームの売却のみならず、裁判事例でも訴訟の争点で見聞きすることはあると思いますが、イメージをつかんでいただければ幸いです。

    扶養控除の改正

    2012年2月18日

    こんにちは。

    いよいよ確定申告が始まりました。今回の確定申告で影響が大きいポイントが扶養控除の改正です。こども手当や高校無償化の影響で扶養控除の額が変わりました。

    15歳未満の扶養親族 38万円→0円(子ども手当導入のため)

    16歳~18歳未満 63万円→38万円(高校無償化のため従来の特定扶養親族の割増部分が廃止)

    19歳から23歳までは従来通り特定扶養親族として63万円の控除が受けられます。