京都の税理士・中井康道税
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    ジャンル別記事/確定申告・所得税

    10万円以下でも医療費控除は可能なの?(その3)

    2013年2月5日

    課税標準という言葉を今回と次回にも使用することになりますが、給与の方であれば、給与所得控除という名前の必要経費を差し引いた後の金額と考えて下さい。今回は実際に使うことができる方を見ていきます。

    ・課税標準の5%により、実際に使うことができる方・・・ここに年収(つまり、給与の額面)が800万円の方、480万円の方、240万円の方がいるとします。給与所得控除後の金額はそれぞれ、以下のとおりです。

    ●800万円⇒600万円 ●480万円⇒330万円 ●240万円⇒150万円 となります。※この求められる数字は一定の計算式で求められるので、暗記は全く必要ありません。もしくは、給与の額面がこの範囲の額からこの範囲の額までは、給与所得はいくらといった表により一目で確認することもできます。

    上で述べた600万円、330万円、150万円のそれぞれに5%を計算すると、以下のとおりとなります。

    ●600万円×5%=30万円 ●330万円×5%=16.5万円 ●150万円×5%=7.5万円

    次回は、この点の賢く活用するためにワンポイントを見ていきます。

     

     

    10万円以下でも医療費控除は可能なの?(その2)

    2013年2月4日

    では、続きを見ていきます。最初から「どうせ10万円を超えないと無駄なんでしょ」と諦めて

    いる方が多いのも事実だと思います。「もしかすると、医療費控除が取れるかも」と思って集計

    するにも、最初から「どうせ10万円を超えないと無駄なんでしょ」とモチベーションが上がら

    ないまま集計作業するのとではかなり違いますよね。

     実は、医療費控除、10万円を超えなくても対象となる場合があるのです。

    ・医療費控除「10万円」以外の基準とは・・・10万円を超えなくても対象となる場合があるのは、

    医療費控除には「10万円」以外の基準があるからです。それは、「課税標準」の5%というも

    のです。「課税標準」とは少し専門的なのですが、例えば、給与所得(サラリーマン)だけの方

    であれば年収ではなく、給与所得控除後の金額(給与にも年収に応じた必要経費があると思って

    下さい。その必要経費を差し引いた後の金額)ということになります。

    次回は、課税標準の5%が実際に使うことができる方を見ていく予定です。

    10万円以下でも医療費控除は可能なの?(その1)

    2013年2月1日

    医療費控除の関連で、「10万円以下でも医療費控除が認められる」ことをもしかしたら、耳に

    されたことがあるかもしれません。本当にそうなのか、今回から何回かに分けて更新していきま

    す。

    ・医療費控除の仕込みは領収書の集計

    ホームページで申告書の作成は容易になった、あるいは、インターネットで申告書のみならずデー

    タの送信をクリック一つで行う電子申告も可能になりました。といっても、そこに集計された

    資料がいい加減であれば、作成された申告書もいい加減になってしまいます。

     医療費控除の申告で言えば、医療を受けた方・納税者から見た続柄・病院、薬局などの所在地、

    名称などを集計するという基本的な仕込み作業は全く変わらないといってよいでしょう。

    次回はもう少し具体的に10万円を超えなくても対象となる場合について、見ていくつもりです。

     

    医療費控除(その3)

    2013年1月24日

    では、拡大傾向にある医療費控除という点につき、説明していきます。

    ・拡大傾向にある医療費控除・・・福祉の充実といった政策も関係し、また、医学の世界が日進月歩であるため、医療費控除の対象も徐々に拡大傾向にあります。例えば、近年の税制改正では、以下のようなものが医療費控除の適用になるものとして認められました。

    ①介護保険制度のもとで「1」から「5」の要介護認定の適用を受けた場合に、指定介護老人福祉施設に入所する介護費の標準負担額の2分の1

    ②血縁者以外から骨髄移植を受けた患者が財団法人骨髄移植財団に支払う負担金

    ③いわゆるメタボ検診を受けた結果、高血圧症、脂質異常症又は糖尿病と同等の状態であると認定され、かつ、引き続き医師の特定保健指導が行われた場合の自己負担額

    ④レーシック手術の費用

    ⑤角膜矯正療法の費用などです。

    本来、医療費控除の趣旨とは、「健康な人より病気がちな人のほうが生活が大変」といった、納税者の担税力(税金を負担する能力)にその考え方の基礎がありますので、時代の変化に伴い、より弾力的に運用されるべきではないでしょうか。

    医療費控除(その2)

    2013年1月23日

    前回に引き続き、医療費控除を見ていきます。今回は、医療費控除に該当しないものに共通するキーワードを説明します。

    ・医療費控除に該当しないものに共通するキーワード・・・医師やあん摩・マッサージ・指圧・柔道整復師が行う場合には、医療費控除の対象となりますが、資格を有しない人が行う場合には対象外となります。また、コンタクトや眼鏡の場合も医師により治療上必要とされ、治療方法に合致するものであれば医療費控除の対象となります。「不妊治療」も目的が治療ですから、医療費控除の対象となるのです。

     反対に、医療費控除に該当しないものから何らかのキーワードは見つけ出せないでしょうか。例えば、「予防接種の・・・」「美容のための・・・」「疲労回復」「健康増進」といったあたりがキーワードとなります。

    インプラントや歯列矯正の費用は「咀嚼(そしゃく)障害のための・・・」ということであれば、医療費控除の対象となりますが、「美容目的のための・・・」ということであれば対象外となります。つまり、医療費控除の適否で該当するか否かで最も重要視されるのは、治療目的や療養目的であれば良いのですが、健康維持や治療目的、療養目的以外であれば駄目ということです。

     したがって、治療のための風邪薬の購入費は医療費控除の対象となりますが、インフルエンザの予防接種は健康維持のためとなるので、医療費控除の対象にならないのです。おわかりいただけましたか。次回は、拡大傾向にある医療費控除を見ていきます。