京都の税理士・中井康道税
こんにちは中井康道です。お金や税にまつわるお話しを紹介いたします。
  • 最新記事

  • 税の相談
    初めて税理士に相談される方、親身になってお付き合いできる税理士をお探しの方などお気軽にお問い合わせ下さい。
    お困り相談
    京都の税理士中井康道の日常ブログ

    相続税の総額のあん分割合の計算方法

    2012年4月15日

    今回取り上げる内容は、相続税額を計算する際に、相続税の総額を各相続人の相続税額にあん分する割合の端数を切り上げや切り下げといった調整をして計算して良いものかという問題です。では、事例を挙げて見ましょう。

    夫が死亡して妻が3分の1、長男が3分の2を相続することになりましたが、相続税額を計算する過程において、相続税の総額を各相続人の相続税額にあん分する場合の割合を妻0.33、長男0.67とせず、妻0.34、長男0.66として申告をして差し支えないのかという問題です。回答としては、妻0.34、長男0.66として申告をしても良いことになります。このことは、通達(相続税法基本通達17-1)の取り扱いが下記のとおり、あります。

    小数点以下2位未満の端数がある場合において、その財産の取得者全員が選択した方法により、各取得者の割合の合計値が1になるようその端数を調整して、各取得者の相続税額を計算されているときは、その計算でも差し支えないものとして取り扱っています。

    このように見てきますと、上記の例で長男は納税者有利となり、妻は結果的に納税者有利とはなっていませんが、ひとえに計算の便宜上の措置を取っているものだと考えられます。