京都の税理士・中井康道税
こんにちは中井康道です。お金や税にまつわるお話しを紹介いたします。
  • 最新記事

  • 税の相談
    初めて税理士に相談される方、親身になってお付き合いできる税理士をお探しの方などお気軽にお問い合わせ下さい。
    お困り相談
    京都の税理士中井康道の日常ブログ

    住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の計算

    2012年3月25日

    前回の関連で今回は、住宅取得資金の贈与を受けて相続時精算課税を選択した場合の贈与税の計算を具体例で見ていきたいと思います。平成23年に父から4,300万円、母から1,000万円の住宅取得資金の贈与を受け、いずれの贈与についても相続時精算課税を選択した場合を考えて見ましょう。

    相続時精算課税の特別控除額は、選択した贈与者(財産を渡した方)ごとにそれぞれ適用されます。平成23年中の住宅取得資金の贈与(合計所得金額が2,000万円以下である者が受ける贈与に限ります。)については1,000万円まで非課税とする特例がありますので、父からの贈与についてこの特例を初めて適用するものとします。

    (1)父からの贈与・・・課税される金額の計算としまして、4,300万円-1,000万円(非課税金額)-2,500万円(相続時精算課税の特別控除額)=800万円。贈与税額の計算としまして、800万円×20%(相続時精算課税に係る贈与税率)=160万円(贈与税額)。注意点としまして、相続時精算課税を選択した場合は、暦年課税の基礎控除(110万円)は適用できません。

    (2)母からの贈与・・・課税される金額の計算としまして、1,000万円-1,000万円(相続時精算課税の特別控除額)=0。注意点としまして、住宅取得資金の非課税制度は受贈者(財産をもらった方)1人について1,000万円(※平成23年分に限る。)が限度となっていますので、父からの贈与について非課税制度を適用して1,000万円を非課税とした場合には、母からの贈与については非課税制度の適用を受けることはできません。ただし、母からの贈与の例で言いますと2,500万円の特別控除額は使えますので、2,500万円の枠から1,000万円を引いた残額1,500万円の特別控除額は翌年以降に繰り越して使えます。

    ※平成23年分の非課税枠は1,000万円ですが、平成24年分は1,000万円、平成25年分は700万円、平成26年分は500万円となります。なお、省エネ・耐震住宅の非課税枠はここでは割愛をさせていただきます。

    以上、計算例を見てきましたが、上記の父母2人からのそれぞれの贈与を受ける場合、父から1,000万円の全額を非課税枠として引ききった場合は、母からも二重に引かないよう注意が必要です。裏返して言えば、平成23年分について父から非課税枠500万円を引いて計算しているなら、残り500万円は母からも引いて計算できると言うことです。参考になさって下さい。