あなたにも相続税が降りかかる(その5)
2013年3月2日前回までの「その1」から「その4」まで、今後課税対象者が飛躍的に増えるであろう相続税に関し、これまで相続税のことなど考えたこともなかった方向けに簡単に紹介をさせていただきました。しかし、相続は節税対策だけでは終わりません。相続問題で一番重要なことは、税金以前に「争族」を防ぐことです。
どんなに仲が良い兄弟でも、それぞれ嫁という第三者が加わると、相続ではドロドロの争いが絶えないからです。よく「私の目の黒いうちは、子供に私の財産を自由にさせたりしない」などという親がいます。確かに両親あるいはどちらかでも健在のうちは良いのですが、子供だけ残った時にそれぞれの嫁は自分の家計のことだけを考えて「もらえるものはキッチリ全部もらいますよ」と主張しがちになるからです。
相続財産がお金だけならまだしも、半分に分けられない土地や、経営している会社の株式の場合は大変です。親と一緒に暮らしていた土地を相続して他に金融資産がない場合、他の兄弟から金銭の要求があれば、土地を売ったり、土地を担保にお金を借りてこなければならなくなります。
会社の株式であれば、さらに事態は深刻です。株式は会社の権力構造と密接に結びついていますので、後継者争いに発展することだってあります。こういった場合には専門家の税理士に相談されるのが賢明だと思います。