相続財産となる既経過利子
2012年7月16日前回に続き、相続財産として見落としやすい既経過利子(利息)を見ていきます。定期預金を相続した場合と考えて下さい定期預金の元本は表に出ていますが、利息がついつい漏れやすいという問題です。
利息について申し上げれば、バブルの時期とは異なり、定期預金にしたところでわずかばかりの利息です。タンス預金よりはマシなところでしょうか。相続財産として課税される定期預金の価額は、課税時期(亡くなった日現在)における預け入れ額と同時期現在において解約した場合に既経過利子の額として支払いを受けることができる金額から、当該金額につき源泉徴収されるべき所得税等の額に相当する金額(この源泉徴収の用語につきましては、今回は割愛いたします。機会を改めまして触れたいと思います。)を控除した金額との合計額によって評価することになっています(財産評価基本通達203)。この利息額は預け入れ日から相続日までの間の利息をご自分で計算してもらえば良いのですが、取引している金融機関の担当者に確認してもらうことも可能です。すぐに教えてくれますので。例えば、ゆうちょ銀行の定額貯金の場合の利息計算は、複利で計算することになり、ご自分で計算となるとかなり複雑な計算になるので、取引金融機関で確認されるのが良いかと思います。
以上見てきましたが、意外に落とし穴ですので、ご留意願います。なお、各種預貯金のうち定期預金、定期郵便貯金及び定額郵便貯金以外の預貯金について、課税時期現在の既経過利子の額が少額なものに限って、課税時期現在の預け入れ額のみによって評価します(上記の基本通達)。