京都の税理士・中井康道税
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    ストックオプション

    2012年6月2日

    今回はストックオプションを取り上げます。公認会計士を目指している友人がいまして、先日、昨年度の論文式試験の「租税法」の試験を見せてもらったところ、出題されていたのです。意味や仕組みについて見ていきたいと思います。

    ストックオプションとは、あらかじめ決められた価格で自社株を買う権利を言います。あらかじめ決められた価格が時価より安かった場合、この権利を与えられた者は利益を受けます。これによって、会社は取締役や使用人の意欲や士気を高め、一方で、会社は株価の値上がり益を通じて、取締役や使用人に将来の報酬を与えることができます。

    次に、仕組みを見ていきます。取締役や使用人に対して、一定の安い株価で自社の株式を購入する権利を与え、一定期間が経過した時点で、取締役や使用人が当初の約束の価額で株式を購入する。そして、株価が上った時点で売却すれば、その取締役や使用人に大きな利益が入り込んでくるという仕組みです。会社の業績向上による株価の上昇が、取締役や使用人の利益に直接結び付くことから、取締役や使用人の業績向上意欲に結び付くものと期待されています。

    (出典元 http://www.tabisland.ne.jp/explain/kabuhyok/stockop.htm)

    上記の場合、(1)A社の株価は1株500円。この時、A社は取締役甲に対し、今後X年以内なら1株600円でA社株を与えることを約束します。(権利付与) (2)甲氏はA社に対し、権利を行使して、この時のA社株の時価は1株1,500円ですが、A社からA社株を1株600円で〇〇株取得します。(権利行使)なお、A社が甲氏に与えたA社株(自己株式)は、かつてA社が1株500円で取得したものです。 (3)甲氏は株式市場に対して、A社株を1株2,000円で売却します。(株式売却)甲氏の利益は、1株1,400円になります。(2,000円-600円)

    会計士の租税法の試験に上図の利益を求める試験が出題されていましたが、税理士試験を受験する方にとってはそう難しい内容ではないと感じた印象です。会計を専門的に勉強された方には税法はやや独特のとっつきにくいのかもしれません。上図をイメージさえすれば、ストックオプションも理解しやすいと思います。