京都の税理士・中井康道税
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    弥生会計の古いバージョンを使っておられる方へ

    2012年9月27日

    実務をしていて気付いた点があるので、少し長くなりますので何度かに分けて書きます。とりあえず個人事業者を前提とします。

     

    弥生会計で自計化(会計事務所ではなく自分で会計ソフトに入力)されている方は多いと思います。確定申告をどのようにされるかはさまざまでしょうが、青色申告決算書までは自分で作成して、青色申告書(B様式)は税務署や納税協会などで聞きながら、あるいは、今日のIT社会ですし、E-TAXのHPで作成するという人も多いと思います。

     

    ちなみにヨイショするわけではないですが、国税庁の確定申告書作成システムはよくできています。年々改善もされていますし、税理士が関与せず自分で作成される方にはおススメです。

     

    一方で、会計ソフトは各社ほぼ同じ状態ですが、一般的にはお店やインターネットで購入してその年度は最新の税法に基づいて確定申告書を作成できます。

     

    ただ、税法は毎年改正されます。普通はその前年のバージョンでは確定申告書は作成できないため、別途、毎年保守契約を結んでバージョンアップ料を払えば最新の税法に準拠した青色申告書を作成できます。

     

    逆に言えば、一度ソフトを購入してしまえば、最新の青色申告書は作成できなくても、青色決算書までは作成できるのが一般的です(というか今回の話題では『でした』との過去形になります)。

     

    『会計ソフトをバージョンアップせずに自分で記帳+確定申告書はE-TAXなどでなんとかする』というのが、最も安価に確定申告書を仕上げる方法です。ただ、内容の正確性には問題があるのでしょうが。。。(つづく)

    財務会計と税務会計

    2012年6月3日

    個人的に会計の中の「税務会計」に現在関心を持っています。財務会計と税務会計の扱う内容や違いを今回見ていきたいと思います。

    私達が普段、有価証券報告書等で目にする財務諸表は、財務会計の原則に基づいて作成されています。財務会計とは、投資家向けに適正な利益を計算することを目的とした会計です。

     一方、税務会計とは、企業が支払うべき税金を計算することを目的とした会計です。

    財務会計では、利益=収益-費用で計算しますが、税務会計では、課税所得=益金-損金で計算されます。利益と益金、費用と損金が同じものであれば特に問題はありませんが、実際にはそこに差異があります。その差異には、永久普遍に生じている永久差異と一時的に生じる一時差異があります。一時差異があると、企業の純利益が税効果によって大きくブレてしまいますので、税効果会計と呼ばれる処理をしてブレを修正することになります。

    以上見てきましたが、財務会計の理解に加えて税務会計の知識があると、株式などの投資の意思決定をする上で企業の実態を正確に把握することができると思います。例えば、会計方針の変更があった時に、変更がなかったと仮定して利益の推移を自分で計算するような場合にも考え方を知っておけばかなり役立つことと思います。上記以外の会計に投資の意思決定やコスト管理、収益管理などをする管理会計というものがありますが、機会があれば、この管理会計についても触れたいと思います。